[八] Loser of Jealousy
概要
その中で、何かを願う際に「我等弱者に導きを」と言うキャラ達が出てくる。後に「我等弱者に導きを。そして強者を滅ぼしたまえ」と宣言する“敗北主義者”が現れる。_Loser of Jealousy『Lojy』_という思想集団であり、その中でも「強者は敵」とする過激派がいるテロ組織を内包する集団。
極論を言えば、「我等弱者に導きを」=「自分より幸せな者は、皆死ね」団。
ブリジスト=L・フォール
- 名前の元ネタは「ロンドン橋落ちた」。
- 赤褐色の髪と、浅黒い肌。青い目を持つ。
- 基本的には悪意のない少年。善意的にも見え、非常に前向き。はきはきと物を言い、およそ「悪」とは結びつかないある意味「無邪気」な印象。ただしそれは、「悪」を知らないだけである。
- 元々は世界の向こうから来た少年。向こう側の世界は、超コンピュータ『ピエロッテ・マザーグース』に完全に管理された社会。そしてブリジストも、そこで幸せに過ごしていただけの少年。なので、こちら側の世界の人間に対して、リアリティがない。
- 『向こう側』という側面で、尾津愛とは相性が良い。 マナは比較的治安の安定した場所で活動しており、ブリジストは治安の安定していない地域で勢力を拡大している。 二人に接点はないが、最終的にはどちらかがどちらかの計画を『喰う』可能性が非常に高い。
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クリアランス・エルケ
と言う名前にしようかなー、と。ブリジストの乗機。
表記は「C・エルケ」。
Lojyに供する機体は、「量産型エルケ」表記で。エルケは、人名で「エリカ」あたりが耳馴染みがあるかと。「エーリケ」「エーリカ」「エリカ」。
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あ。すっかり忘れてた。
ブリジストのロボの名前は、エイチ・エンドになりました。
名前の由来は「ハッピーエンド」。『もう充分幸せを得たでしょう。なら、ここで死んでもハッピーエンドですよね』
という意味。ブリジスト自身はこの台詞は言わないと思います。
ピエロッテ・マザーグース
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クックロビン改め、ラクーラ=ルベオス。
……だっけ? メモし忘れた。今一つピンと来ていない模様。「ピエロッテ・マザーグース」はピエロッテがついてるのでいいとして、「システム・オブ・グースバンプス」はどうしようかなぁ、と。ノリは「スピリット・オブ・マザーウィル」とかその辺の「巨大なものは仰々しい名を持つ」感じでそのままでもいいか。
意味合い的には「道化の童謡」と「鳥肌のシステム」。
ブリジストの世界では、童謡・童話のように人々の人生が「めでたしめでたし」で終わるように設計されています。人生で得られる幸せの数は180と決められていて、それに達すると、「めでたしめでたし」として人生が強制終了します。平等の死を得られることが181番目の幸せとして教えられてもいます。
ゆえに、このシステムを「ピエロッテ・マザーグース」と呼んだようです。
その181の幸せの中で、そのシステムを維持できるよう管理も行っています。ブリジストはその管理社会を「母国」であったり「マザーランド」と呼んだりします。
また、外敵、およびシステム外部の人類から、「マザーランド」を護るために、「システム・オブ・グースバンプス」があります。
決して、外部の人間を捕えて、システムに取り込もうというものではありません。とは言え、来る者は拒みません。「ピエロッテ・マザーグース」を作った、かつての人々は、「二度と嘆きを得たくない」「安定した確実な幸せを得たい」と願っていました。
泥沼の、底辺の、悪夢のような人生の中で夢見たのは、「童謡」であったり「おとぎ話」の世界でした。
そして、それを作り上げたわけです。
おそらくきっと、何かが間違っていると。「童謡」というものは、大抵その裏に、残酷な意味合いが込められていると知っていても。
だからきっと、「ピエロッテ・マザーグース」なのです。だからブリジストは、こちら側の世界を見て「幸せが不平等」だと感じるはずです。
幸せが180に達していないのに死ぬ人もいれば、180以上の幸せを得ても、のうのうと生き延びている浅ましい人間がいる世界。ブリジスト自身は「ピエロッテ・マザーグース」ではないので、他者をどうこうしようとは考えませんが、「モラル」の問題として、変な世界だと感じます。
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というわけで補足をいくつか。
ブリジストとLojyの関係ですが、彼らは別の組織です。
Lojyに関して、過激派とブリジストの目的が一致しない、との話を聞きましたが、Lojyは過激派であれ、「弱者(自分)の等しい救済」を望んでいます。そのため過激な思想として「だったら強者を滅ぼしてしまおう」としがちなだけです。
他人を傷つけることが目的ではなく、「弱者の救済」(一人勝ちの強者の居ない平等な世界)を望んでいるのですね。皆死ね思想は目的ではなく手段です。また、「嫉み」の元は他者との比較によるものなので、「他者も自分も等しいだけの幸せが得られる世界」というのは、彼らにとって希望でもあるわけです。
「嫉みの敗北者」というのはこれが本来の由来で、いわゆる負け組に落ちた人間は他者に嫉妬をするけれども、彼らが望むのは他者の不幸ではなく、本当は自分の幸福なのです。「他者の幸福を嫉む、嫉みの敗北者」。「他者の不幸を望む、望みの敗北者」ではないのです。
そして、さらに言えば「嫉みも敗北も、望んではいない」のですね。Lojyは、貧困層であったり、難民がほとんどです。組織立って活動も起こさず(起こせず)、嫉むだけです。その中で、追い詰められて、何もなくなって、自暴自棄になった弱い人間が、一歩道を踏み外して「過激派」として、行動を起こしてしまうのです。
ここまで書くと、非常に陰鬱な集団に見えますが、ライト層のLojyは「自分を弱者と認めて、人事を尽くして天命を待つ」意味で「我ら弱者に導きを」と祈っています。
「嫉みも敗北も望んではいない」
「我ら弱者に導きを」
「そして強者を滅ぼしたまえ」弱きを助け、強きをくじき、嫉みも敗北も消えてしまえ。
つまりは、「平等の幸せが欲しい」と願っているだけなのです。
この概念的な「強者を滅ぼしたまえ(意訳:不平等をなくそう)」を「自分より幸せな者は、皆死ね」と極論する連中が居るのが過激な行動をとりがちになる原因であり、他者から「危険な団体」と見られがちな理由になるのかなぁ、と。結果的に、危険な行動をとるものも居ますし、ブリジストの与えた機動兵器(異世界からの支給品)によって、さらに力をもっての活動も行えるようになってしまいます。
毒島一家のいる世界では確実に殺される対象ですし、ロシ達のいる世界では『大佐』側であり裏切ったロシを受け入れるでしょう。
そもそも、ブリジストがいなければ、それほど問題になるような集団でもないはずです。でもまぁ、こんなオリスパ世界なので、ウキョウさんには麻薬関係で目を付けられ(これはブリジストのせいですが)、毒島には過激派が殺され、ロシにもたぶん「私は負け犬じゃない」と否定されるかと思います。
踏んだり蹴ったりですね。だから、現実から逃避して、夢の世界で一生を終える、くらいの幸せだか何なんだかわからないものは、得られてもいいかと思っています。
『Lojy』とブリジスト
嫉んでいたのは『嫉みの敗北者』
きっと得られた 幸せが
なんで彼らだけのものなのと『Lojy』『Lojy』『嫉みの敗北者』
誰かが掲げた『現実からの脱出』
きっと得られた 幸せを
きっとみんなに与えるために『Lojy』『Lojy』『嫉みの敗北者』
使ったのは『夢見る魔法』
いつか得られた 幸せを
今のこの場で見られる魔法『Lojy』『Lojy』『嫉みの敗北者』
願って語った『我ら弱者に導きを』
たった一人の 幸せを
みんなで見ようと夢を見て『Lojy』『Lojy』『嫉みの敗北者』
だけど彼らが得たものは
他人の不幸と 嫉みの世界
嫉んで 嫉妬し 引き寄せて
それでも得られぬ 嫉みの向こう不幸は望まぬ 嫉みの敗北者
『Lojy』『Lojy』『嫉みの敗北者』
きっと得られる 幸せは
180個に満ちるだろうか『Lojy』『Lojy』『嫉みの敗北者』
残った幸せ いくつだろう
『Lojy』『Lojy』『嫉みの敗北者』
もう嫉まずに 済むだろか
願って 望んで 得られるものは
現実からの 脱出口『Lojy』『Lojy』『嫉みの敗北者』
『Lojy』『Lojy』『嫉みの敗北者』
シナリオ
彼は「現実からの脱出」を掲げて、人々を煽動する。
彼が助けた者達は、「現実からの逃避」として麻薬を常習するようになる。
それは「向こう側」からの補給物資でもある。
ロボも同様に援助されている。一般兵は麻薬に溺れ社会復帰が不可能にまでなった者達である。
彼自身もマザーグースによって送り込まれた「クックロビン」に乗り込み戦う。
向こう側の世界は、幸せが均一化された世界。全ての人に、平等に、同じ幸せが与えられ、一生が終わる。
「我等弱者に導きを」
ブリジストは『Lojy』を取り込み――『Lojy』もブリジストに依存し、巨大に、そしていびつに成長していった。
たった一人の、「帰還者」を作るため。
自分たちが「現実」から逃避し、「向こう側」へ至るため。
その願いは、現実の全てを犠牲にして。
*
世界に穴をあけたブリジストは自分の世界への帰還を行おうとする。それは、この世界に「自分は必要ない」と認めさせ、弾き出させることである。しかし、間違っているとはいえ多くの『Lojy』を導いた実績は、彼をこの世界に縛る。
ブリジスト自身も、この世界で多くの幸いや悲しみを得て、それでも「帰らなければならない」と結論していた。
そして、残った『Lojy』も一緒に「連れて行く」ため、この世界に自分は「異物」であると認識させるため。
開いた穴から『システム・オブ・グースバンプス』を召喚。世界各国の「歴史的建造物」を破壊すると宣言。
それを止ようとする自軍と戦闘になる。
*
いくつか「歴史」が破壊された後に、童謡が聞こえてくる。
「物」を壊しても、「文化」は壊せないと。
その意思表示を行う。
人を殺さず、物を破壊して、世界に、人類の「歴史」に否定されて、この世界から弾き出されようとした目論見は、より強固な「歴史のターニングポイント」として認識され、もはやブリジスト自身が「この世界の歴史に必要な人物」となってしまった。
故に。
ブリジストを媒介に、二つの世界は「一つの世界」となり、『ピエロッテ・マザーグース』が姿を現した。
この世界も、「平等な幸せ」の世界にしようとする『ピエロッテ・マザーグース』に、自軍は衝突。
そして撃破する。
すべてが終わった後、ブリジストは二つの世界の門を閉じる。
「世界は一つに繋がりました。ですが、それはまだ早すぎたようです。自分はその喜びを知ってます。だから――向こう側の世界で、自分の世界で、『ピエロッテ・マザーグース』を再建させます。今度こそ、すべての――すべての人が、幸せを得られるように」
『Lojy』の残った人々も、彼と共に往く。
またいつか。二つの世界が幸せを分かち合えるように。
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リンク
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